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さよなら、ぼくのモンスターのhynonのレビュー・感想・評価

5.0
ヒリヒリする。生々しくて、せつなくて、痛い、いやそんなもんじゃないな、内臓えぐられるような。

万人受けしない映画だと思う。
でも個人的には大好き。

映像、雰囲気、音楽、主人公のキャラクター、ところどころ挿入される超現実的な描写…なにもかも非常に好み。

幼い主人公オスカーが自分で長い髪を切ってしまうシーンは、いわば差別や偏見を恐れて自分を殺す、自傷行為。観ていて痛々しかった。

成長しても、世間の差別や偏見、自分が自分になること、将来、親、トラウマ、独りになること…恐怖は続く。
その恐怖が「モンスター」なんだと思う。

この映画を「LGBTの映画」と呼ぶのは違う気がする。
「レディーバード」をホラーにしたような、そんな感じ(?)。

オスカーのときめき、痛み、怒り、哀しみ、さまざまな感情が、こちらまでどっと押し寄せてくるようで、すごい監督だな、この子すごい俳優さんだな、と思った。
オスカー、なんとなく誰かに似てるなと思ったら、宇野昌磨くんだった。

「胸騒ぎの恋人」を観てないので、ドランと似てる説はちょっとわからない。そんなに似てる??

いいシーンや演出がたくさんあった。
「出会えてよかった」と思える映画だった。
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