青春100キロの茶番のネタバレレビュー・内容・結末

上原亜衣引退ドキュメンタリーとしても半端、青春映画としても半端といった印象。

そこに映っている人々に救われて（それがドキュメンタリーだと思うけど）、観ていられるものになっているというか。そこはもちろん監督の手腕もあってのことでしょう。だからなのか、半端だと思いつつ嫌いになれない作品。

撮影開始前日までカツカツのスケジュールの中、何とかカメラを回して記録したことは、観客としてとても感謝したい。この記録と、そこに映っている人々と、出会うことが出来て嬉しい。

出会って、ケイくんのことを応援したくなってしまったからこそ、製作陣がケイくんを見失ったことに対して「おいぃぃぃっ」と。アクシデントとか起こるといいね、エンターテインメントだからね、と言っていたけれど、これはどうなのか.....確かにケイくんが消息不明になって、この先の展開がどうなるのかと楽しむ気持ちはあったものの、それってケイくんに対してめっちゃ失礼じゃない？という気持ちが勝ってしまった。
捜索中、いや全編通して感じたけれど、製作陣の会話はエンターテインメントとしてのこの作品の魅力に貢献しているのだろうか....全ての言葉がではもちろんないのだけれど、さすがに多いなぁと。多いだけでなく内容も。

ケイくんと誰よりも真摯に向き合ったのは、最後に待っていた上原亜衣ちゃんであったことが、その過程があったからこそ強調された気もするが。

企画段階で製作陣が思い描いていたものとは、きっと全く違う作品になったのだと思う。ケイくんと対面した亜衣ちゃんが泣いていても、平野監督が言ったような、ケイくんも一緒に泣くような展開は起こらない。そのズレが面白いと思ったし、それを観せようとしたのかなとも思う。

当たり前な感想になってしまったけれど、とりあえず記録。