記録。
美女はこの世の災いだ!
民話「姥捨山」をモチーフに、捨てられる対象を年老いた親から若く美しい美女に置き換えて綴る不条理系ダークファンタジー。
美女とは、容姿の美しい女性のことを指し、醜女とは、容姿の醜い女のことを指す。
これが本作冒頭のテロップです。
のっけからアレなワケですが、美女は男をたぶらかす、ブスはそんなことせずに献身的で働き者であると堂々と曰う世界観そのものが偏見に満ちて失礼極まりない。
そんな感想を抱かれるのは百も承知の上で制作してるのでしょうから、何か深みのある展開が待ち受けてるのか…?
とりあえず鑑賞を続けましたよ。
本作の世界線では、美女は20歳になった時点で山に捨てられなければならないと法令で決まっています。
それに則り、老人におぶられて山に向かう白装束の美女。確かに美しい方ですが、ちょっと待って欲しい。
美女かそうじゃないかの基準って何よ?
多分誰も観ないでしょうからちょっとだけネタバレしますけど、老人は美女を捨てずに匿ってるんです。10人くらいかな。
その中には美女…?って方もいたし、新入り美女に対して「このレベルでも捨てられちゃうんだ」と毒づく方もいる。
結局、何基準?ていうか誰基準?
流石にその後の展開は伏せますが、
差別的感情を良しとしない当然の風潮に中指立てるルッキズム至上なのか、そうではないメッセージを放っているのかは最後までよう分からず。
ちなみに本作の監督さんのインタビューで写真を見ましたが、なかなかのイケメン。
この映画では美女は捨てられてもイケメンは捨てられませんが、何様のつもりなんだろうと思われても仕方ないかも。