あちゃん

92歳のパリジェンヌのあちゃんのレビュー・感想・評価

92歳のパリジェンヌ(2015年製作の映画)
3.9

92歳の誕生日に家族たちに
2ヵ月後に尊厳死すると宣言した母
家族は彼女の決断を受け止めきれず
激しく動揺し葛藤していく。

𓂃 𓈒𓏸𑁍‬𑁍‬𓏸𓈒‬‬ 𓂃


出来ないことリストが増えていき
体の不自由を感じた母は言いました。

「2ヶ月後の10月17日に逝きます」




自由に生きることをモットーとする
頑固な母の決意は固く
説得しようにも部屋の片付けを辞めない

そんな母を見て娘は受け入れる覚悟をし
息子はふざけるなと猛反対。

娘はその日が来るまで母と共に過ごし
息子は最後まで電話ひとつしなかった。



これは娘が母と過ごした日々を綴った
小説が基になった実話です。
元フランス首相の母親だったそうです










隣の家の黒人男性は
母の専用エレベーターだと言い
抱っこして階段を上がってくれて

家政婦の女性は
大きな愛で背中を押してくれて

孫の青年は
おばあちゃんの役にたとうとし

娘は1番過酷な選択を受け入れた。


母の周りには優しい人が沢山いて
とても恵まれた人生だったと思う。



だからこそ、浮き彫りになるのは
最後まで頑なに許さなかった息子の態度だが
息子の気持ちも痛いほどわかる。
その頑固さも母親譲りなんだよね。




見ていて辛い作品だったけど
娘といる時の母の笑顔が素敵だった。

人生に後悔をしている感じが一切なく
逝く時も周りに迷惑をかけず
1人でおこなった所が好感を持てた。
絶対に怖いし不安だろうに……






「尊厳死」に正解は無い

だけど人生の最後の瞬間を
自分自身で決める権利はあってもいいと思う