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ブルーレイン大阪のbrianのネタバレレビュー・内容・結末

ブルーレイン大阪(1983年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

クラブのママ待子(志水季里子)は、かつて捨てられたことのある悠司(広瀬昌助)と再会する。もう一度その男に賭けようとする女の姿を描いた艶歌ポルノ。

男女の複雑な関係には陰うつな雰囲気が漂うものだが、全編に渡り大阪弁の台詞回しで明朗な雰囲気になっている。少しイントネーションが違うのは仕方ないけどね。

この作品の登場人物には完全無欠のロックンローラーがいない。何かが足りない。それを補うこともできない。ただひたすら肉体を求め合う未熟な男と女。

大阪が舞台ということで、昭和の街並を懐かしく観ることができた。大阪駅の歩道橋は今と変わらないが、高層ビルが少なかったのは時代が変わったんだなと実感できる。

長回しによる男女が4人入り乱れての激しい喧嘩には釘付けとなった。怒りが頂点に達すると人間は恐ろしい生きものである。

タクシーとバイクのチェイスは迫力があった。万博記念公園周辺の道路で撮影。おそらく早朝だろう。車の往来が激しい場所。警察の眼も厳しいから今だったら撮影は無理。
https://youtu.be/wmV5rFym4vI

大阪に降る雨を女の哀しみに表現した小沼勝監督の演出がとても素晴らしかった。
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