真っ黒こげ太郎

ファンハウスの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

ファンハウス(2015年製作の映画)
3.8
そこは殺人さえもアトラクション。

まぁスプラッター系ホラーなら毎度の事だが。w



ハロウィンの夜。
ヤバいキチガイ殺人鬼が沢山収容されているステーツヴィル精神病棟に女性記者が取材にやって来る。
だが、その記者の正体はキチガイ殺人鬼の一人で、医院長や病院職員を殺害し収監されていた殺人鬼達を解放する!!!

一方、ハロウィンのイベントとして、実際に殺人鬼が起こした事件を題材にした「ファンハウス(びっくり屋敷)」に遊びに来たおバカな若者達。
だがそのファンハウスは、脱獄した殺人鬼達が牛耳っており、実際に殺人ショーが繰り広げられていた…!



精神病院から脱獄したキチガイ殺人鬼達が、殺人鬼の事件を題材にしたびっくり屋敷を舞台に、若者達を血祭りに上げてゆく、スラッシャー・ホラー。
なお、トビー・フーパー監督作に「ファンハウス/惨劇の館」という作品がありますが、それとは無関係である。
(まぁ、お化け屋敷に殺人鬼が居るというプロットは同じだが)


動画サイトに上がっていた予告がそれなりにグロそうだったので今日も今日とてスプラッター映画目当てにレンタル。
…ネット上の評判は悪いが。


内容に関しては、説明するまでもなくよくある感じの「殺人鬼の根城に若者がいらっしゃ~い!」な内容ですね。
例によってエロエロしていたカップルが殺されたり、閉鎖されて脱出不能状態になったり、ヒロインが反撃したりと…う~む、実にありがち。w

「殺人鬼が居るお化け屋敷」というジャンルも、上記の「惨劇の館」を始め「殺人遊園地」や「ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷」とかで散々作られた題材だし。

ただ、基本的にそれらの殆どが真面目な内容であるのに対し、今作は結構なコメディタッチ。
カップルの片割れが襲って来た殺人鬼と互角の戦いを繰り広げたり、助っ人に来てくれた警察官とその仲間達が妙にコミカルな連中だったりするんですよね。
しかもこいつらが妙に強いし、ヘタレていた警官の一人に至っては妙に成長してヒロインに代わり美味しい所を持って行ってしもうた。w
ラストに駆け付けた警察官達も最後の最後で大ボケをかます始末。w
こんなふざけた連中揃いのお馬鹿なノリなので、殺人鬼側の攻防に緊張感は無いのですが、そのお陰でキャラが皆個性立ってたのは良かったかな。

グロ描写は顔面剥がしに喉裂きに首チョンパ、ハンマーで頭部粉砕や脳天豪快引き抜き等が展開。
描写としては普通レベルだし、目新しい描写はほぼ無いのですが、スプラッター映画として最低限やる事は抑えてありますね。


ただ、全体的に登場人物が多くてその分個性が薄くなっちゃってるし、ヒロインに至っては後半はほぼサブキャラレベルに埋もれてしまっている。
殺人鬼側もも力持ちや歯科医や剥製師等、それなりにバリエーションがありますが、終盤では印象に残らずアッサリやられる連中が多い。
そんな感じで全体的に登場人物が薄~くなってしまってるので、どうせコメディタッチにするならもっとそれぞれの個性をガン立ちさせても良かったと思う。
(警官2人と、一緒に付いてきた2人のキャラはかなり立ってたが)

後全体的にコメディタッチなのは良いんですが、余りコメディ描写が面白くないのも難点。
コミカルなワチャワチャ騒ぎは肩の力を抜いて見れるけど、ギャグがイマイチなので終盤になるとかなり投げやりに処理されてる感じがする。

後、最後に幾つもCパートがあるのですが、流石にしつこ過ぎるのでどれか一個だけでも良かった気ががが。w


全体的にコメディ要素多めなホラーにしようとした意図は分かるし、気楽なノリで見れる様にしてくれたとは思うけど、そこら辺のギャグが微妙な出来栄えになってしまったのが全体的にイマイチに感じる敗因ではないかと。

それでも、特殊メイクのグロゴアは拝めるし、ギャグな連中と殺人鬼側のワチャワチャ攻防もまずますに楽しめるので、この手の「ファンハウス」系のB級殺人鬼ホラーの中ではそれなりに楽しめました。
少なくともバカ連中のドタバタや特殊メイクのスプラッター描写を見せてくれる分「ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷」よりはこっちの方が好きかな。w

因みにジャケでデカデカと殺人鬼のリーダー面しているロバート・イングランドさんですが、彼は精神病院の医院長役で序盤でアッサリ死んでしまうので、ファンの方は期待しないように。
(殺人鬼より目立ってんじゃねぇかw)