青田章生

大奥浮世風呂の青田章生のレビュー・感想・評価

大奥浮世風呂(1977年製作の映画)
5.0
衝撃的な傑作。…かもしれない。


🐟
「パラサイト〜半地下の家族」は格差社会をビジュアル化した点がすごかった。

「大奥浮世風呂」にも最底辺で生きる人間(江戸時代に穢多、非人と呼ばれていたような士農工商のさらに下の身分の人々だと思われる)と大奥に暮らす上流階層の人間との格差をビジュアル化しており、
そのシーンの凄まじい構図は「パラサイト」を超えていると言える。

だってその最下層の人間は便槽の中にいるんですよ!
そして大奥の女性は上から便をするのです。
(時代劇なので大奥とはいえ当然汲み取り式のボットン便所)


🦑
さらに凄まじいのが、
ボタリと落ちてくる便をものともせず、用を足している女性を下から見あげる主人公(なんと志賀勝!)。
志賀勝はぼーっと眺めて言う。
「なんて美しいんだ…」


こうして志賀勝はすぐ上で大便する女性に身分違いの恋をするのです。
本作は東映のエロ映画にすぎませんが、ここまで来るととんでもなく芸術的な文芸作品でもあるように思えてきます。

そのほか、ある同性愛者のチンピラがドスで刺されてしまい、
「見える…あいつの菊の花が…」
とつぶやいて死ぬシーンとかもすごかった。


🦞
まぁ名作とハードルを上げるのも違うかしれない💦
ぜんぜん完璧な作品ではないんですが、とにかく瞬間風速が凄まじいシーンが幾つもあって感動してしまった。

レンタルできるので見てください!!
青田章生

青田章生