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午後8時の訪問者のSHのネタバレレビュー・内容・結末

午後8時の訪問者(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

この監督の作品には社会問題(難民、貧困、家庭、差別)が必ず描かれるけど、そういったテーマが「問題として描かれる」というよりはごく自然に(つまり、「社会にはこんな問題があるんだ!」「答えはこうだ!」と一方的に説教がましく主張したりせず)物語の中に静かに溶け込んでる。というかそれらは「問題」というより、生活そのものになっている、というべきか。

今作も、患者を診察したり、タバコを吸ったり、車を運転したり、研修医に指導したり、といった女医である主人公の日常にカメラが寄り添い、あくまで彼女の日常生活を通して、物語は進んでいく。

診療所の医者の日常なので、派手なアクションがあるわけでも、名探偵のように推理を重ねて犯人を追いつめていくハラハラがあるわけでもないけど、「ヌーヴェル・バーグの遺伝子はこういったかたちでも現在のフランス映画に引き継がれてるのかも」とふと思った。
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