湾岸に住むランナー

わたしは、ダニエル・ブレイクの湾岸に住むランナーのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

 例えば、カード会社に電話する。当然、音声ガイドが出る。案内に従って番号を押しても、なかなか繋がらない。どれを選べば分からず、堂々巡りを繰り返すこともある。
 生命保険も、携帯電話も、もちろん役所も同様である。全国からの問い合わせを捌くには必要なことなのかもしれない。しかし、連絡する方としては、本当に途方に暮れることもある。
 この映画の場合は、生活がかかっているわけだから、仕方ないでは済まされない。
 法律も同様。必要なものであるが、完璧な法は存在しないから、いかに血を通わせるか、常に問題提起が必要だろう。
 誰かが手掛けるべき題材の映画だと思った。
 そして、この作品は、人間の尊厳を尊ぶものでもある。主人公が落書きして抗議する場面も秀逸だが、フードバンクでケイティが食べ物をいきなり貪るシーンが衝撃だった。