即興劇で小規模ながら人気を集めていた劇団から、上昇志向の強いメンバーがメジャーなTV番組のオーディションに応募。なんと合格してしまい、それがきっかけでメンバーに亀裂が入ってしまうという話。
劇中劇を描いた作品なので、ざくっと言えば「ラヂオの時間」や「カメラを止めるな！」に雰囲気は近いのだけれど、そもそも即興劇というもの自体が日本では馴染みが無く、そこが評価の分かれ目になりそう。
僕は日本の所謂お笑いにさほど強い拘りが無いので、むしろ本作で描かれる即興劇の、衣装もセットも無いイマジネイティヴな表現が凄く面白かった。そして、出演者も舞台役者を演じるという事で、エネルギッシュな人達が揃っていて、知らない世界の面白みにどんどんハマッた。コメディだけどあくまで知的っていうのが良い。
それにしても、ここで描かれているようなTV番組裏側のえげつない世界や、そこに足元をすくわれて才能を犠牲にしてしまうようなタレントって、日本でも沢山いるのだろうな。
