JunIwaoka

リトル・メンのJunIwaokaのレビュー・感想・評価

リトル・メン(2016年製作の映画)
4.0
2016.10.26 @ 第29回東京国際映画祭

青春映画を観てて辛くなるのは、あの頃のトキメキや輝きはもう二度と取り戻すことが出来ないことを知らしめるから。しかしこの映画の若さとは、親によって振り回され自立できない歯がゆさや居場所のなさで、個人的にはこちらのほうがいろいろと思うところがあって胸締め付けれるものがあるね。
内向的なジェイクと対照的なトニーが自然と仲良くなるのも若さゆえだし、大人になるとこんな風にはなかなかなれないからその出会いがこそが貴重なんだよな。嫌がってたブルックリンで演劇教室を覗いたり、サッカーを覗いたりなにげないことで生活が彩っていくように。
悲しいかな親に振り回させる子供に選択肢はない。大人になると責任が付いてまわるから、正当化させてしまったことを本当はどう思っているかなんて分からなくなってしまう。父親が「親だって人間だから完璧な訳じゃない」と吐き捨てる言葉。親が子のことを思うのは当たり前だけど、子も親のことを思って我慢したり気を遣ったりすることに気づいてほしいよね。頑張りすぎることじゃない、誰かに認めてもらったからなんだ。
きっといつかジェイクもトニーの気持ちが分かる日がくると思う。だからこそ最後のシーンは僕の思い出の情景にも重なっていつまでも胸に残る。
JunIwaoka

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