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もずのtのレビュー・感想・評価

もず(1961年製作の映画)
4.1
セットやロケ地を引き立たせる撮影が良い。料亭内の階段や、美容院周りの工業地帯、起伏ある土地の仮住まいをどう画面に収めるか。また美術の仕事の細やかさに惚れ惚れする。
淡島千景が娘と2回目の再会を果たした後去って行く彼女を後ろから追い、直後にまた戻っていく彼女を後退しながら捉えるカメラの動きが、クライマックスで再生される。だがその時には有馬稲子はその場にいない。あそこは「東京暮色」のような冷ややかさがあり恐ろしかった。
武満徹の艶っぽくも哀しげなテーマ曲が素晴らしい。川津祐介は、落ち着け、という感じ。
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