ペコリンゴ

光と禿のペコリンゴのレビュー・感想・評価

光と禿(2016年製作の映画)
3.7
記録。
そして彼女は真実の色を見る。

かつて“下ネタのナポレオン”とも称された「クリトリック・リス」のスギム氏を主演に据え、MOOSIC LAB 2016 5部門を受賞した誉高い作品。

これ好きやわぁ。
売れない怪しげな中年ミュージシャンと盲目の女の子。ボーイミーツガールならぬオッサンミーツガール。

本作でスギム氏が魅せるダサカッコよさは男として目指す価値のある、ある意味での到達点。そんな男の生き様と仄か過ぎるロマンスのサジ加減がツボ。

スギム氏以外のキャストもイイ。
歯に衣着せぬ盲目女子の梢役に岸井ゆきの、常に梢を気遣う親友役に樋井明日香。口に出すのも憚られるユニット名を彼女に言わす脚本の外道っぷりがナイス。

スギム氏の後輩役には『FINAL FANTASY XII』や『仮面ライダーキバ』『仮面ライダービルド』のサブライダー役で有名な武田航平。イケメン後輩がハゲ先輩をイジリながらもなんだかんだリスペクトしてるのが微笑ま。

そんな彼ら彼女らが織りなすドラマは思いのほか人情味多め濃いめ。

クライマックスにて、辛うじて光が見えるだけだという梢の目に飛び込んできた光は決してツルッパゲの輝きだけではないはずだ。