シネフィル母ちゃん

ニコラス・ウィントンと669人の子どもたちのシネフィル母ちゃんのレビュー・感想・評価

2.9
個人の活動だけでこんなに多くの命を子供たちを救えたことに驚きだし、戦争の恐怖と戦いながらも「我が子だけは幸せにしたい」と、子供を手放す親の愛にめちゃめちゃ胸うたれました。
子供を海外に逃すってことは一生のお別れになるのも覚悟な上での行動だし、戦争によって何の罪のない家族達が引き離されるのは観ててすごく苦しかったです。

自分は死ぬと気づきながらも、子供の幸せを願い必死に行動する親の愛に胸が張り裂けそうでした。
当時の実際映像も多く登場するので、殺されたであろう人達の姿が数多く映るのでそれもキツかったな。。

この699人の子供たちはめちゃめちゃ幸運な子達。
国外逃亡出来なかった多くの子供たちは殺されてるし、生き延びた子供たちのインタビューを見るとニコラスウィントンの偉業に改めて気付かされます。
ちなみに生き延びた子供たちが
企業家、大学教授、弁護士、医者など今では裕福な暮らしをしているのも印象的でした。
里親に愛されて育てられたんだなってのが伝わります。
ニコラスウィントンとこの子供たちのサプライズ再会の場面も涙無しには観れなくて、感動とかそんな言葉では表せられない感情がグルグルしてました。


でもその後の展開に心がついていけず、そこからどんどん気持ちが冷めていってしまいました。
ニコラスウィントンの偉業と、彼が助けた命の輪が広がったところでお話を終わらせて欲しかったのに、そこから慈善事業やボランティアなどの話になって「NHKドキュメンタリーになっちゃった?」って思うほど。
感動の押し売りというか、あまりの善意アピールにドン引き。
今の時代の一連のくだり、ホントにいらなかったなぁ。。
若い世代の人達の「わたし、こんなに良いことやってるの!ほらほら!ニコラスさん見て!」っていう善意アピールは気持ち悪くて鳥肌たつほど。
ラストでいきなり24時間テレビの雰囲気になって、違和感しかなかったです。