セイラ

ラストレシピ 麒麟の舌の記憶のセイラのレビュー・感想・評価

3.5
・“絶対味覚”を持つ二人の天才料理人が繰り広げるハートウォーミングストーリー
・ラストレシピが如何なる意味か、を映画全体で回収する
・歴史的背景をもとに、国を超えた友情や心情が描かれる
・文字通り遠回りして気づく自分のルーツに涙するミステリー映画

「人生最後に食べたい料理」を再現することで高額報酬を得る料理人が主人公。

個人的に日本橋を通るといつも見上げる麒麟を思い出し、
あまり身近ではない動物だけれど神聖であることはわかる、程度の認識で
サブタイトルに惹かれて鑑賞。
二宮和也さん『潜水艦カッペリーニ号の冒険』のときも歴史を伝えるに値する俳優さんだなあと
思ったものだけれど、盧溝橋事件が1937年のはずだから今回も大正解。
昭和日本の現状を彼が耳で聞いたとおりに追ったストーリー展開が面白かった。
西島秀俊さんの「我々のレシピに~」のセリフが忘れられない。
当時の日本人があれほどの選択をするというのは如何に難しく勇気あることか
西島さんの温厚で柔和な雰囲気に垣間見える志の強さが素敵だった。

佐々木充の持ち合わせた才能となんら関係のない依頼を承諾するものだな
と疑問を持ってしまい、途中から展開は読めていたけれど、
でもどう回収していくかまでは予想がつかなかったのでお見事。
展開だれたな、と停止は絶対しないでほしい作品。

‐‐‐ロールキャベツの雑煮風‐‐‐
カツレツにも勿論魅かれたけれど、お正月の残りのお餅を消費しなければならなかったので。
ハルビンのロシア人経営スラバホテルで出されたものです。
お出汁はもちろん鰹節。
お肉の種の中にお餅を仕込んで、かつおだしのスープでぐつぐつ。
コンソメやケチャップも美味しいけれど、和風出汁もかなり美味しい!
何より一品で炭水化物がとれちゃうので満足度高めです。
‐‐‐
セイラ

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