映画の味方あっつマン

新感染 ファイナル・エクスプレスの映画の味方あっつマンのレビュー・感想・評価

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ソグの幼いひとり娘のスアンが、誕生日にプサンにいる離婚した妻にひとりで会いにいくと言い出し、ソグは仕方なく娘をプサンまで送り届けることに。ソウルを出発してプサンに向かう高速鉄道KTXで突如起こった感染爆発。死んだはずの感染者たちが、凶暴化し他の乗客を襲いはじめる——。


韓国版のゾンビは、集団で走って追いかけてくる。ノロノロと歩いているゾンビとは違い、迫力がある。走るゾンビといえば、「ドーン・オブ・ザ・デッド」が有名だが、本作は更に特急列車の中。完全な密室空間で、素早いゾンビを相手にするなんて絶望しかない。

邦題だけ見ると完全にB級映画だが、本作は、人間ドラマがしっかり描かれている。初めは自分のことしか考えない主人公のソグが、行動を共にする乗客や娘のために危険を顧みない行動をとるようになる姿は、感動的だ。私もソグくらい強い父親になれればと思う。

ゾンビ映画でここまでの感動があるのは想定外。ホラー映画としても楽しめるし、ドラマ性もある。ひと作品で二度美味しい、良作だ。

国をあげて映画産業を盛りあげているだけに、韓国映画には勢いがある。2017年は本作以外にも「お嬢さん」「コクソン」など、見応えのある映画が多かったように思う。今後も要チェック。