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さいなら、BAD SAMURAIのwigglingのレビュー・感想・評価

さいなら、BAD SAMURAI(2016年製作の映画)
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カナザワ映画祭2016期待の新人監督枠にて。
期待の新人監督賞を射止めたのは本作でした。監督本人も驚いてたけど、カナザワらしさということでは順当な結果かと。

はじめて作った自主制作映画『BAD SAMURAI』が大コケして多額の借金を負った大野監督が主演・監督を務めその後の顛末を語る自伝映画。映画に呪われたという彼は映画作家として再生できるのか?

『BAD SAMURAI』は不良侍が女をコマしまくるだけの困った代物。ところが、その舞台裏を描いたパートが抜群に面白いんですよ。誰にも観てもらえず、演者には激怒され、親には勘当される。そんな自主映画あるあるが面白可笑しく、そして多分の切なさをもって描かれる。
それでも夢を諦めない彼を応援したくなるのだが、その旺盛な性欲故に必ず下ネタ落ちになってしまい「お前なぁ…」な感じに。

どこまでが実体験なのかは定かではないけど、あるある感が真に迫ってるんですよね。自慰行為のようなセルフドキュメンタリーって大嫌いなんだけど、これは隅々までセンス良くて好感が持てますね。とにかく笑える。

カナザワ映画祭の新人監督賞って結構な重責だと思うんだけど、そのプレッシャーに潰されないことを祈ります。次作ちゃんと作ってください。
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