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国選弁護人ユン・ジンウォンのmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.6
ユヘジン、出てたのか。
彼、個性があってとても好き。唯一無二のキャラクター。

キムオクビン、とても美しい。
このやや大胆な記者役によって、思い切りの良い美人になり、正義感と行動力があり、カッコいい女性、素敵。

再開発地帯で住民と制圧部隊が衝突。
その最中に警官が殺され、1人の住人のおっさんが逮捕される。
しかし、そのおっさんの息子は警官に殺されて、その時に守ろうとしただけだ、と主張。

ちょうどその頃、政府が絡む事件が不自然に処理されている。

この衝突事件の最中に起きた警官殺人と、裏に潜む国絡みの隠蔽工作、そして、この裁判に加熱していくデモ行為と鎮圧。

民主主義を振り翳して上から押さえつけてくるかのような当局。
しかし、裁判自体は怪しげな推測だけで証拠も揃わず、勝てる見込みのない裁判に担がれた“国選弁護人”。

ユンゲサン、日本で言うと永山瑛太っぽい。
カッコいいけど、それよりも微妙な抜け感と落ち着きが混在してて強かでタフな精神と行動力と正義感が光る。

“国選弁護人”ということで、弁護士界では少し弱い立場であるからこそ、雑草魂と言うか、失うものは何もないという大胆さが誰もが進むのを躊躇う道を切り開く。

「賠償請求額100ウォン(およそ10円)で真実だけを求める訴訟」

を起こす。
ユンゲサンとユヘジンの凸凹弁護士コンビが、圧倒的な政治的権力に法廷で挑む弁護クライムサスペンス。

弱小弁護士ごときが道を進めば進むほど色んな利権や権力、勢力図に巻き込まれ前からも後ろからも刺される。

真実を求めただけなのに、、、。
損害賠償額などのある種の“仕掛け”により世間の注目を集め、大きな力が働き始める。

その風当たりに成す術もなく屈してしまうこともあるが、そこもまた弁護士である前に1人の人間らしさもある人柄が良かった。

そんな時に必ず鼓舞しにくるキムオクビンが素敵過ぎる。

そして、この裁判本件と関連事件が交錯し始め、外側からも内側からも圧力や裏取引。
金と権力と名誉に塗れた法廷闘争、色々剥がれたり、塗り直される証人喚問。

この検察側の美人検事の物言いもなかなかイラッとくるが、証人含めて法廷関係者にもうずまくそれぞれの都合を優先する隠蔽やマウントの取り合い。

目の前の真実や被害者、遺族。
この悲痛な叫びや思いの裏側でそれを利用し、捻じ曲げようとする力に屈せず立ち向かった2人の弁護士と記者。

静かだが、大きな正義と熱意を確実に感じる作品。

最後の判決と、“現場”のシーンの重み。
そして、民主主義の上に立つ“見えない大きな力”と歯車。
がんじがらめの世界の中で正直に進む正義は果たして何を掴むのか。

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TSUTAYA DISCAS運営の映画コミュニティサイト「Discover us」にて同アカウント名でコラムニストをさせて頂くことになりました。
https://community.discas.net/announcements/ib1wyncr43idknqm
別視点で色々映画について書いていこうと思います!ご興味ある方は是非お待ちしております!
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