ねこ無双

紅い唇/血に濡れた肉唇のねこ無双のレビュー・感想・評価

紅い唇/血に濡れた肉唇(1975年製作の映画)
4.5
やっとこさ中盤、ジャン・ローラン祭り⑤

フィルマに登録されている紅い唇と同映画らしいけど、どちらに登録すべきかよくわからない。私が観たのは95分版だから、こちらの方に一応登録しました。

偶然見かけた一枚の写真。そこに写った古城から思い出した美しい女性(アニー・ベル)の幻影に導かれ、墓地へと辿り着いた男。
私はエデンの園を追放された二人の話を連想しました。ラストまで抒情詩のような。

どしゃぶりの雨の中、墓地にぞくぞく集まってくるシースルーガウンを身に纏った吸血鬼たち。もはやこのスケスケも当たり前に感じてきた(//∇//)
エロシーンもありますが、いやらしさというより風景画のような。

海辺や宵の古城、墓地などが怪奇幻想的な雰囲気を作り出している。
夜更けの歴史を感じる古びた街並みや無人の地下鉄構内などロケーションも素晴らしい。
どのシーンも美しいんだけど、
中でも母上の回想での娘と壁に写る影や遺跡のようなところでの殺しのシーンが素敵。
燃えさかる炎の石垣を囲んでるところも黒魔術っぽい雰囲気あって好きです。