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マリオ・バーヴァ 地獄の舞踏のhorahukiのレビュー・感想・評価

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巨匠マリオバーヴァについて関係者が語るドキュメンタリー。

類稀な才能を持ちながらも生前は不当な評価しかされなかったバーヴァについてみんなが熱く語ってます。なかでもティムバートンの熱さが半端ないっすね。他にもバーヴァを敬愛する監督として、マーティンスコセッシ、ジョンカーペンター、ジョーダンテ、ショーンSカニンガムのインタビューやエピソードが語られます。

AIP創設者アーコフの「アメリカやイギリスで撮っていたらヒッチコックと並ぶ評価を受けただろう」という発言が最も印象的。アーコフはハリウッドにバーヴァを誘ったが、バーヴァが英語がダメで馴染めずに断ったらしい。バーヴァは英語ができないことを悔やんでいたようです。

バーヴァは自分は映画監督に向かない性格だと自分でも語っているほど良い人で撮影中も口論等はほぼ起こらなかったようです。そんで偉ぶることも嫌いで、自分を芸術家だとか文化人だとかとは思っておらず、映画を撮るのが楽しいから監督をしてたらしい。そして「評価されやすい」映画は撮らず、当時は下劣なものとされていたホラーばかり撮っていた。そういうところも生前の不当な評価に繋がってるとこのドキュメンタリーでは語られます。

このドキュメンタリーによると…

『エイリアン』
→『バンパイアの惑星』のハリウッド版。
『13日の金曜日』
→『血みどろの入江』のリメイク。

『血みどろの入江』は未見だから比較できないけど、『エイリアン』はマジでその通りだと思う。リドリースコットには潤沢な予算と一流のスタッフが与えられたが、バーヴァには何もなかった。その中でアレほどの傑作を作り上げたバーヴァの手腕は凄すぎますね。

『血みどろの入江』はスラッシャーの元祖とされている作品で、これがなければ70年代後半〜80年代にかけてのスラッシャー・スプラッターブームもなかったと言われるほどの作品にもかかわらず、イマイチ認知度が低いのが本当に残念。実際にショーンSカニンガムは、80年代にホラー映画を撮った監督でバーヴァに影響を受けてない者はいないと語っています。まあ私もまだ見てないけど(笑)

これ見てますますバーヴァが好きになりました。マジでBlu-rayボックス出ないかな〜。見るためのハードルが高い作品が多くて困るんですよね。でも出ないんだろうな〜(T . T)
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