シャチ状球体

アンダー・ハー・マウスのシャチ状球体のレビュー・感想・評価

アンダー・ハー・マウス(2016年製作の映画)
3.2
恋愛に関するドラマ以外が存在しないことが本作の結構明確な弱点で、最初から最後までダラスとジャスミンの激しい恋愛模様だけが描かれるのでそこに説得力がない。
数分に一度登場する性描写は不必要なほど長く、ここだけフォーカスされると二人の関係が深まっていく様子が唐突で理由が希薄に思える。

ライルとの関係が支配・被支配的なことを見ると、ジャスミンにとってダラスはとても大事な存在なんだということは分かるけど、だったらステレオタイプな悲劇を生じさせないでも良かった。
基本的にレズビアンであることは隠さなければいけないもののように描写されていて、マジョリティ向けに作られた社会の中で規範的とされないセクシャリティは普通に存在しているし、人目を気にしなくてもいいというような社会像を提示してくれないために当事者目線になりきれていないところも何だか微妙。

でも、エリカ・リンダーを見るためだけの視聴理由でも損はしないはず……。
シャチ状球体

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