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パンデミック・サイトの消費者のネタバレレビュー・内容・結末

パンデミック・サイト(2014年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

世界中で大流行しているSNS、レッドルームのユーザー達がある日を境に急激に変貌
自我を失い人々を襲い出す様になっていく
というパンデミックホラー作品

「マッド・ダディー」や「哭悲」を思わせる様な設定のゾンビ物
オソレゾーンで配信されているにしてはよく出来ていると感じた(これまでに観たのが「ノクタ」と「みぽりん」なのでハードルが下がり過ぎていたのはあるけど…w)

しかしB級作品に対して野暮かもしれないがツッコミどころが多過ぎた
まずユーザー増やして依存させる為にレッドルームに仕込まれたサブリミナル要素によってゾンビウイルスに感染する、という設定だ
画面を通して見た物の影響で変貌するのなら脳に異常を起こす、というだけならまだしも脳に腫瘍が出来てそれが新しい脳として成長していき人格を飲み込んでいく、というのはどうなのか
ウイルスやドラッグ、毒物等の様に直接的に体を蝕む要因が無いのにさすがにそんな風になる訳ないだろ、というのが引っ掛かったまま放置されるのでSNSを通してゾンビ化するという設定はせっかく面白いのに十分に活かされてないと感じた
本作より遥かに奇天烈な設定の「ムカデ人間」ですらもう少し説得力があったのに…

またゾンビ化した感染者達との格闘があまりにも少ないのも気になった
最後までほぼ防戦一方でゴア描写は割とちゃんとしてるのに勿体ない

そして登場人物達の描写も微妙だ
主人公サムはパンデミックの発生した日の朝に彼氏と別れレッドルームを退会したにも関わらず後半でマークに恋心を打ち明けるのはおかしいのでは?
しかも彼女は妊娠しているのにマークはすんなり受け入れるという…
そういう展開にしたいならサムとマークの関係性をもう少し丁寧に描いておくべきだったと思う
描写の面では最初に感染する仲間であるスティーヴが恋人ケイトリンとヤろうとしていると突然、感染者が家に押し入ってくる場面も惜しい
話が穴だらけなんだから濡れ場は必須だろ!
普通にヤってる所に感染者が現れる、で良いじゃん!

良かった点としては感染者は出血多量でも死なない、また死んでも腫瘍は成長し続ける、という設定かな
続編への布石として作られた設定だと思うんだけどそれだけに正直1作目でこれだけ穴があると次作にもあまり期待が出来ないのという点では残念だけど…
設定を緻密に構築するのも人物や関係性の描写をもっと丁寧にするのも金が掛かる事ではないのでそのへんもうちょっとちゃんとしてくれれば良かったのにな…
あと感染後に感染者同士が繋がりが生じてテレパシーで会話する様になる、というのも面白かった
でもこれもあまり活かされてないんですよね…
回路みたいなネットを題材にしたJホラーっぽく描いてたら面白くなったろうに…

最後に個人的な要望を言わせてもらうとせっかく生配信機能も付いているSNSを題材とするんなら配信映像やニュース映像で臨場感を出すよりPOVのファウンドフッテージにした方が面白くなったんじゃないかな、と
そうすると根本から物語が変わってしまいはするけどSNS依存を描くなら感染爆発後に実況中継するバカユーザーとか出せただろうし…
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