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フクシマ、モナムールのWonkavatorのレビュー・感想・評価

フクシマ、モナムール(2016年製作の映画)
3.1
被災地を舞台にし、現地に暮らす人々をエキストラに起用しているのであれば
もう少し政治的にもメッセージ性のある内容での筋書きにすれば良かったのではないか?と、せっかくの機会を活かしきれていない欲求不満感が残ってしまう。

あまり過敏に神経質に危険を煽る必要もないけれど、とはいえ、日本政府が蓋をしておきたい部分に全然、触れていないよね...。
もう少し突っ込む勇気が欲しかった...。

あの様な話、福島が舞台でなくても成立してしまう。
話題性を集めるために、既にある筋書きに被災地という要素を付け加えただけの様な安直なものの様にも見えてしまう。

監督は、「3.11以降ドキュメンタリーではなく、フィクションでの被災地を舞台にした撮影は私の作品が初めてだと思う。」と言っていたが、それは間違いで、既に3.11以降の福島にて園子温が「希望の国」「ひそひそ星」と、2本の実にどうしようもない作品を撮っている。
奇しくも「ひそひそ星」同様に本作「フクシマ・モナムール」もモノクロ映画と、なっている。が、「ひそひそ...」に比べれば良くできている。


被災地を舞台にしたフィクションで、高評価を得るのは非常に難しい気がする。
本当にそこを舞台にする意味や意義が明確であり、売名や偽善でないのは勿論のことだが、フィクションを上回る壮絶な現実があった場所で、それを超える感動や、悲しみを表現出来る作品など皆無ではないか!?
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