ブタブタ

この街に心揺れてのブタブタのレビュー・感想・評価

この街に心揺れて(2015年製作の映画)
3.5
《お見合いと占い》
フォロー先様のレビューを見て鑑賞。
フィルマークス見てると普段絶対見ないタイプの映画に出会えたりするので矢張り非常に助かる(これも縁(えにし)か)

以前に見たNHKドキュメンタリー『光混児・中国 結婚できない男たち』では中国は一人っ子政策という大失策によって結婚適齢期の男性が女性に比べると約3000万人(!)も余ってるというその余りに悲惨な現状を紹介していた。
『光混児』を思い出したのは《お見合い》と《占い》が作中のキーアイテムとして登場するから。
両作を比べると映画とドキュメンタリーの違いはあれ天国と地獄を見るようである。

風水的な事なのか「○家と○家は結婚できない」からの「何故貴方はロミオなの」で「なら僕は名前を変える」って男女の位置を代えた《ロミオとジュリエットごっこ》とか見ててイャーン(//∇//)てこっ恥ずかしい場面もレトロファッションに身を包んだこの2人がやると素敵。
古さと新しさが入り交じる台湾の美しい街並みを舞台に人と人の不思議な《縁》による結び付き、大人同士の恋やその運命といったものが描かれる。
謎のキューピット男子の介在もあって2人は結ばれるのだけど(だよね?)基本ファンタジーで結局は全てが上手く進むので特にどうと言う事はない内容。
でもホンワカした雰囲気や美しい街並み、台湾旅行に行きたいな~とか思わせるいい意味で観光映画。
冒頭の地下鉄車内のシーンとかウォン・カーウァイの映画をちょっと思わせる映像。
基本「悪意」みたいなものがこの世界には全くない。
《台湾一国🇹🇼》
中国への返還、そして当然ながら中国への同化政策により香港🇭🇰の《文化》というよりも《香港》というひとつの《国》は消滅した。
嘗て存在した《香港映画》というひとつのジャンル・文化はもうない。
台湾がもし中国に侵略されて併合何て事になったらこの美しいファンタジーも失われてそこに現れるのは『光混児』みたいな現実なんだろうと思ったりしたのでした。
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