ドイツの哲学者ニーチェの格言『怪物と戦う者は、その際自分が怪物にならぬように気をつけるがいい。』
父を殺した犯人の出所までの15年間を待ちわびた少女の復讐心。
鋭利な刃物のように無駄を削ぎ落とした殺人鬼との対峙。
脚本は難ありだが、物語が内包するメッセージは哲学的で奥が深い。
他にも劇中でこの様な台詞が入る。
『悪が勝つための条件はひとつ、善人が何もしないこと。』
これはイギリスの哲学者エドマンド・バークの格言からの引用。
被害者は加害者に対して何もしなければ加害者は加害者として野放しになってしまう(エドマンド・バーク)。
しかし、被害者は復讐心から加害者側になってはいけない(ニーチェ)。
復讐心に駆られる憎しみと残酷な殺人鬼にはなりきれない悲嘆。
綺麗事では片付けられない、善悪の二元論で語れないテーマがそこにはある。