チーズマン

タリーと私の秘密の時間のチーズマンのレビュー・感想・評価

タリーと私の秘密の時間(2018年製作の映画)
4.2
同じジェイソン・ライトマン監督とシャーリーズ・セロン主演とディアブロ・コディ脚本の『ヤング≒アダルト』と対をなすというか、この座組ならではのある意味セルフアンサー的な内容で、つまらないわけがないといった作品でした。
『ヤング≒アダルト』では自由奔放な独身を謳歌するも結婚して家庭と子供を持つ人への劣等感や憧れや孤独に対して心身をヒリヒリと擦り減らす主人公を演じていたシャーリーズ・セロンが、今度は家事や育児に追われて自分自身の心身のケアが何も出来ずにボロボロなりながら自由奔放な独身を謳歌し続けているかつての親友やベビーシッターのタリーに対して劣等感や憧れを抱くという、「結局どっちも地獄やないかい」というこの座組ならではの厳しくてヒリヒリする内容の作品でした。
どちらも結局のところ、自分が今何でこんなに消耗してしまってるのかを一つ一つ解きほぐしていき奥底の自分の心の声に耳を傾け自分をちゃんとケアしてあげることぐらいしか出来ないがそれが生活というものだという着地は共通してました。
自分をケアするというのはちゃんと誰かに頼るというのも入ると思いますが、今作ならそれがタリーということになりますが、いやいやその前にもっと身近にいるだろう「お前だよ、お前」というこの作品の視線がグサグサと刺さる男もいるのではないでしょうか。

そして今作も後半で物語上のひねりが一つありましたけどね。
そこで終始グサグサ刺さる視線の回収が行われるのは良かったですね。
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