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パリ、ピガール広場のkiritoのレビュー・感想・評価

パリ、ピガール広場(2016年製作の映画)
2.7
【連鎖】

とりあえず、期間が迫ってきたので、上から順に観ることに決めた、myFFF長編①

仮出所したナセルは兄アレスキの経営するバーにきて手伝うようになる。しばらくするとアレスキはナセルに対し店を渡すことになり、彼は自分なりに努力し這い上がろうとするが・・・

移民問題等々実はパリの観光地以外の部分にも目を向けてほしいという監督の熱意自体は伝わってはくる。
しかし、そもそも主人公が前科者である他に、すぐ女にちょっかい出して店を追い出す男や、酒浸りな男・・・感情移入がしにくい登場人物に戸惑う。これが現実の世界なのだとも思うが、せめてバックグラウンドはもう少し丁寧に描いてほしかった。
特に軸を「兄弟」に置いている以上、過去の家族の部分は丁寧に描くべき。後半部分に若干の説明がある(兄が後妻からあまりかわいがられていなかった)がそれでは不十分。
兄自体もなんだかんだ弟を避けたりする部分もあり、これも二人に感情移入しにくい一要素となっている。

残り20分くらいで話の展開が進むスピードがあがりようやくエンジンがかかってきたかと思うところで終わるところが惜しい。その原因が日常会話の多さにあるのだが、冗長的で残念。

ただ、パリの裏側というかこういう側面があるということは学べる。

2020.5.16
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