『ゾディアック』、『大統領の陰謀』のような捜査物のテイストで進んでいく映画だが、大迫力のアクションシーンがあることでアメコミらしさを保ちつつ観客を飽きさせない演出が素晴らしい。
ほとんどのシーンが暗闇か、夜明けとなっており、一貫してダークな世界観を保てていた。
ロバート・パティンソンのどこか物憂げな表情と、自らのアイデンティティに葛藤するシーンが印象に残った。
リドラーがただのサイコパスというよりは、ゴッサムシティの腐敗が生んだ負の遺産であるということもアメリカの分断を感じさせる要素だ。
市長の死をきっかけに街の全貌が見えてくるという構造は、『ツインピークス』と似ている点も感じた。
やはり、ポール・ダノの人を不快にさせるキャラクターの演技力は凄まじいものがある。子供が見たらトラウマレベル。続編も期待が高まる。