偽名祐司

ゲット・アウトの偽名祐司のレビュー・感想・評価

ゲット・アウト(2017年製作の映画)
3.8
日本人でも解りやすいほど社会風刺が効きまくった良質ホラー

話はアプリ参照で。
白人の彼女の家に黒人の彼氏が遊びに行ったら凄い歓待されるけどなんか違和感ばっかりですよ?というね。観てる側をワクワクさせる事この上無しの進行具合

基本的に静かに進行する中たまに音でびっくりさせる系です。科白の端々から滲み出る「ああ、分けられてる」「多分間違いなく何か隠してるよなあ」という感じ。一番強烈なのはメイドの笑顔ですが。
予想通りの展開を見せるビンゴゲームのシーンが落ち着いてカメラがズームアウトして良いですね。
ですがある手法で真実が明らかになった後てっきりよくある人身売買系かと思いきやも一つ斜め上の若干SF系に飛んでいくというツイスト。
主役のクリスさんが概ね常識的で頭の切れる人なので「観てる側が無駄な行動にイラつく」的な事が起きないのも良いポイント。そりゃあんな方法で動けなくなるとはそうそう思いませんよねー。
後半の素晴らしい反撃からの脱出劇はもう気持ちの良いホラー感。ラストの展開は割と普通でもう少しシニカルにしたほうが?と思いましたがどうやら差し替えたようです。青盤で一応別EDも見ましたがそっちでもよかったかなあ?と思います。
っていうかね。ピザでおしゃべりなことある毎に「性奴隷だ!」を繰り出す内なる願望丸出しの男友達な。君、ただのカンフル剤かと思ったらちゃんと活躍するんだな?!ってのが一番の驚きでした。

ネタバレしてから前半の会話や科白の隅々が違う意味に取れたり、綿やら鹿やら仮面やらありとあらゆる風刺が詰ってるこの作品。アメリカならそりゃ大受けでしょうが、ここは日本です。そこまでは刺さりません。とはいえ普通に面白いホラーとして素直に勧められます。
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