このレビューはネタバレを含みます
おそろしく頑固な少年とじいちゃんとおそろしく賢いワンコの冒険。
パッケージからすると、なにやらほのぼの癒やされるのかと思いきや、 この主人公の少年セバスチャンがおそろしく人の言うことをきかない。
10歳だから仕方ないのか。
しかし、微笑ましいという領域をはるかに超えている。
たとえば、自分の行きたい方向じゃないからということで飛行機を運転中のパイロットの腕にしがみつき、無理矢理操縦桿を動かすとか。
やめろ。みんな死ぬぞ。
森林火災が起きているというのにそのなかにワンコとともに飛び込んでいく。うっかり手助けしてしまった女の子もまきぞえだ。このコを見捨てるわけにいかない大人もまた火災のなかへとびこんでいく。
だから...。
もうちょっと人のことも思いやろうよ。
自分が連れ戻されてもまだ愛犬を火事の中へ、さがしてこーいとおいたてる。
お前はワンコに死ねと言ったも同然なんだぞ。
わかっているのか?
自分の意志を貫こうとする強い意志といえば聞こえはいいが、この子の場合はもはや歩く災難そのもの。被害者がでなかったのはラッキーだった...。
かわいい顔して、ほんと憎たらしいガキなのだ。
そしてこの子を育てたじいちゃんもすさまじく頑固だ。
というかこのじいちゃんに育てられた結果だということがよくわかる。
まぁ、娘の安否がかかっているのだから、なりふり構っていられない。
暴走機関車のごとく突き進む。
これが山の男さ!みたいなもんなんだろうか。
そしてベル。
このワンコはもう賢すぎて賢すぎて。
まぁさいごにはまるくおさまってよかったよね。
一番割りをくったのはじいちゃんに振り回されまくっていた整備士さんだと思うな。
飛行機にだまって乗り込んでいったセバスチャンを心配したじいちゃんは整備士にいって飛行機のパイロットに無線で連絡させるのだけど、せっかく相手の声がきこえているのに、通信状況のわるさから相手に自分の言葉が通じず、イラッとして無線を叩きこわす。
そしてセバスチャンを助けにいく!と無理矢理整備士も巻き込んで歩いて山越えをする。
あんたは山男だから慣れてるだろうが整備士さんはじいさんに追い立てられるまま歩かされ、そして目的地に到着したかと思ったら引き返していく飛行機が見え、また歩きで戻らされるはめになるという。
じいさん、あの整備士さんにちゃんとお礼いっただろうな。