むぅ

真夜中のパリでヒャッハー!のむぅのレビュー・感想・評価

3.4
「スリザリンは嫌だ」
どころの騒ぎではない。

映画を観ていると、何て素敵なシチュエーション!と憧れるのと同じくらいに、絶対に経験したくないと思う状況もよく観る。

私なら発狂する。
この主人公が放り込まれた状況を回避出来るのならば、『ハリーポッター』でグリフィンドールじゃなくてスリザリンに喜んで行くし、『ミスト』のスーパーで買い物中に霧に覆われて外を謎の生命体に囲まれても我慢するし、『シャイニング』『ジョーズ』『羊たちの沈黙』で命の危険を感じる方がまだ正気を保てそうである。

出版社勤務のフランクは自分の誕生日に社長から子守を頼まれてしまう。そこに悪友たちが現れてパーティーを始めたものだから、もう大変!

カオス!
他人事だから笑ってられるがフランクの立場だったら、小学生かよと言われようとも泣きながら「絶交する!」と叫ぶかもしれない。

でもそんな避けたいシチュエーションと同じくらいに、羨ましいシチュエーションの夜の遊園地。
「むぅも行くならシーか」
「ディズニーに来てて、この後どこで飲む?って初めて言われた」
など、[遊ぶ=飲酒]の方程式が染みついている私には最高の"夜の小さな遊園地"。
10人くらいで行った温泉街の射的で、見るに見かねたそこの人に私だけがっつり指導をされ全員の失笑を買うレベルなので、あんな大きなバナナや亀のぬいぐるみは夢のまた夢。しかも、そのぬいぐるみ達の行く末には声を出して笑ってしまった。

小ネタに色々な映画が登場するのもまた楽しい。
私も思ってた!という、とある映画の登場人物に似ている彼。
あの後どうなったんだろうか。

「もしかして!君たち!入れ替わってるー!」
と納品書を見ながら叫んだ同僚に
「『君の名は。』」
と笑っていたら、後ろから上司が
「君の名は"発注ミス"」
と真顔で立っていて『サイコ』のあのシーンのような悲鳴を上げそうになったことを思い出した。

今作のシチュエーションに出会ったら「ヒャッハー!」と叫ぶゆとりはないけれど。
むぅ

むぅ