めいこ

劇場版ポケットモンスター キミにきめた!のめいこのネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

※!ご注意!※
全話アニポケを見てるようなマニアの感想です!
かなり厳しい評価なので、ご了承ください!

<内容に関して>
アニポケ紹介の映画としては、よくまとまっていたと思います。
新規さん向けにはよく出来ていると思います。
ただ、やっぱりマニアから見ると
「うーん…元の脚本と演出は超えられないなぁ…」って思うので
昔との違いを比較してしまうと、「やっぱり昔の方が良いです」
これは単に昔の方がいいというわがままではなくて、
演出で構図やタイミングが昔の方が洗練されているという意味です。
例えば…
オニスズメに追われてピカチュウを抱えてサトシが川に飛び込むシーン
「川にいるギャラドスがサトシとピカチュウを餌だと思って」
口を開けて迫って来る、自然の脅威を全面に押し出したシーンなんですが、
映画だとただ「ギャラドスが横切ってる」ようにしか見えなかったり、
画質が良くなったんだから引き出すところをグッと引き出して貰いたかったんですが
そういう細かい演出の迫力と説得力の部分が少しずつ足りない感じですね…
リメイク部分は欲を言えばもうちょっと詳しく分かる方に演出して欲しかった…

オニスズメを撃退するピカチュウの電撃も大幅に変わってるんです。
昔のでは「大きな雷をピカチュウが受けてそのパワーでオニスズメを撃退」しています
映画では「ピカチュウが大きな雷を自力で発動させています」
いや、別にパラレルだから、変わっててもいいんですけど、
変えるなら、それなりに説得力あるものを提供して欲しかったです。


そして、マニアとしてはこの映画、「知ってる内容が半分」あるので、
「新規映像でリメイク嬉しい!」という気持ちはあるんですけど…
映画を見ててなんとなく
「あ、ヒトカゲでてきた」とか、
「あ、バタフリーだ」とか、
「あ、ポケモンが寒くて凍えてる…」とか
「あ、サトシが泣きそうだぞ」とか
「キャラが出てきただけで先の展開が見えてしまうので」
あっそうきたかー!裏切られた!っていう
ドキドキが無かった分、知らない人より楽しさは減ってしまったかな…
という感じはします。復習映画なので仕方ない点はあるんですけど、
オリジナルの部分は楽しめました。

<映画をみて良くわからなかった点>
マーシャドーがなんなのか結局よくわかりません。
ホウオウもなんなのかよくわかりません…。
マーシャドーがサトシを追い詰めて殺してしまう(?)理由。
(クロスを狙わずにサトシ狙いだった理由がよくわかりません)
サトシの復活理由。
(光が混ざってました…炎と雷と雨…?…わかりにくいです…)
サトシは途中の森で夢を見ていたんでしょうか?時空を超えたの?
黄色い花の理由は?なぜダイブしたの?
説明不足が映画の中で多いです。
そして、説明不足の部分を補おうと、
書籍などで確認してみると、なにも載ってない…。
脚本とキャラクターの行動に矛盾点が多すぎます。

「ピカチュウとサトシを引き立たせる為の脚本」なので
「キャラクターの行動や脚本に観客を泣かせる為以外の理由がない」んです。
Q:どうしてサトシが死ななきゃならなかったの?
A:いやそれは、たまたま…………
Q:なんでサトシは生き返ったの?
A:友情パワーで奇跡が起こりました!(特に意味なし)………みたいな感じです。
昔のポケモンはキャラの行動1個1個、意味やメッセージがあったのに!
こんなのでいいの…20周年…という感じは…します。
絵だけ綺麗で大人向けでも、中身がないんじゃ困ります…。
ファンとしてはちょっとガッカリです…。

<マニアが嬉しかった内容>
クスクスとバーナードのトレーナーが出てる!
(他にもキャラがたくさん)
やっぱりエンディングのファンサービス。
ダークなネタや普段見られないネタが見れたのは良かったです。
首藤さんの設定と過去没になったアニポケの映画ネタ、使ってます?
マニアとしては、このあたりにドキドキしますね!
出してくださって、使ってくださって、ありがとうございます。
キャラクターの掛け合いが例年の倍以上、多かったのは嬉しかったです。
(台詞無くて間があると眠くなってしまうんです…わりと)

<キャラに関して>
確かにファンの中でタケシとカスミじゃなきゃ!
っていう声は強いと思いますが、映画を見た感想だと、
ソウジもマコトも、大変キャラは良かったと思います。
マコトやソウジのバックボーンを考えると、本当にグッときます。
マコトちゃん色々つらかったんだろうな…とか思っちゃいますよね…
ナナカマド博士とも旅立ちの時に色々あったんですかね…
エンディングでソウジが雪国を旅している所もGood。
(((トバリ豪雪地帯じゃないのに、ジムの師範は危機察知出来なかったの?
というツッコミはしちゃいけないんだと思いますが )))
ソウジとマコト、ゲストの2人、良かったと思います。
クロスに関しては、シンジの生き写しのようなキャラクターですが、
最後のエンドロールで自分の弱い強いで選ぶバトルスタイルを捨てて、
サトシの友情を大事にするバトルスタイルに改めている部分…
シンジの事を思うと、そこでサトシ全肯定はしなくていいのでは?
と少し複雑な気持ちになります。


<全体として>
ポケモンが知らなくても見れるサトシとピカチュウの映画だと思います。
今まで以上に新規さんにやさしい作りになっていますし…。
新規さん向けとしては良かったんじゃないでしょうか?
例年より場面転換が多いので飽きない作りにはなっていますが、
「ピカチュウとサトシの泣ける映画を作りました!」
という感じなので、よく映画を考察してみると、この映画…
「ピカチュウとサトシみたいにお互い信じれば、どこまでも行ける!!」
というメッセージは素敵だし、
「サトシとピカチュウの姿自体には勇気も貰える」ので納得なんですが…
……「それ以外中身が全くない」のと脚本に合理性がなく、粗が多いのが残念です。
友情パワーでなんでも解決!でも良いんですけど…もうちょっと…
アニポケの世界自体を愛してあげて下さい…
ピカチュウとサトシは確かに「アニポケの主役」だし「顔」なんですが…
他のキャラが単に「サトピカの当て馬」になってるのは、うーん…
お話の中でですけど、ポケモンも生きてるんですから…
(マニアとしては…やっぱりもう一声…ですかね…)

<次回作で望むこと>
やっぱり…希望としては…
純粋に大冒険するポケモン映画が見たいんですよね…。
ワクワク、ドキドキする映画が見たいんです。
それは伝説ポケモンをジャンジャン出してくれだとか、
豪華な絵にしてくれとか、ギャグ入れてくれとか、そういうことじゃないんです。
もっともっと、簡単なことなんです。お金をかけなくてもできることです。
ポケモンなら話題をかっさらって、
連日トップニュースを飾るようなもーっと凄い映画が出来るはずです。
ファンだからこそ、
ここで奢らずに来年さらに良い映画を作って頂けることを願っています。
初日にまた見に行きます。
めいこ

めいこ