竜平

クルエラの竜平のレビュー・感想・評価

クルエラ(2021年製作の映画)
3.6
エマ・ストーン主演。ファッションデザイナーを夢見る風変わりだけど才能溢れる女性「エステラ・ミラー」の幼少期から、やがて彼女が業界で悪どくセンセーショナルに輝いていく様を描く。

ディズニーアニメ『101匹わんちゃん』に登場する悪役「クルエラ・ド・ヴィル」の若かりし頃を綴るオリジンストーリーとなる今作、ということでまずそれを加味して見るのは大前提になるかなと。個人的には1996年製作の実写版『101(ワンオーワン)』しか見たことがなかったんだけど、そっちでこのクルエラという人物演じてたグレン・クローズが今作では製作総指揮として参加してる、ってのは余談。そんで彼女の怪演が個人的には今でも記憶に残ってたりして。今回そんなヤバめキャラを演じるのがエマ・ストーン、彼女って野心に溢れてたり時には惨めだったりの振り幅が素晴らしいよね、今作のこの役柄なんか十八番と言えるんじゃないかな、そんで彼女のことが好きってな人はその魅力だけでも終始楽しめる内容になってるんじゃないかな。そんなこんなで軽快な楽曲の数々と、小気味よいテンポ感で上映開始早々その世界観に引き込まれる。悪役として出てくるのがエマ・トンプソン演じるファッション業界の女王「バロネス」。身勝手さ傲慢さの滲み出る振る舞いで『プラダを着た悪魔』のメリル・ストリープを勝手に思い出したりして。いや、あっちよりも今作のこの人物は断然ひどいってのが徐々にわかってくるんだけども、結構な人でなしってゆー、これは笑いどころとして見るべき。

カリスマ性を発揮していくと共に、後半の展開とか何気に意表を突かれる。まぁコメディ的な前半からどんどんシリアスな方向へ、行くかと思いきやそんなこともなく、やっぱりコメディ調で、これを軽いと取るか楽しいと取るかになるのかなと。「暗い・重たい」を欲する人には物足りないかも、で俺も、物足りないとは言わないけどもうちょいシリアスなのが欲しかった感じ。まぁディズニー映画だしそんな暗くは描かないか、なんて思いつつ、てかアニメのほうのクルエラがそもそもどんだけワルなのかもよく知らないもんで、これはそのうち確かめてみようと思う。てな感じでフツーに最後まで楽しめたは楽しめた。しれっといるマーク・ストロング、これは後々何か重要な役割があるんだろうなってのは予想できちゃうよねー。あと『リチャード・ジュエル』のポール・ウォルター・ハウザー、変な人の役が本当によく似合う。
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