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サラリーマン・バトル・ロワイアルのmanacのレビュー・感想・評価

4.0
深作欣二の『バトル・ロワイヤル』のパロディみたいなふざけた邦題だけど、めちゃくちゃ面白かった。
ストーリー自体に目新しさはなく冷静に考えると二番煎じもいいところなのに、引き込まれるものがある。追い詰められた人間の狂気は『バトル・ロワイヤル』よりも遥かに臨場感がある。97年『CUBE』のような人間の怖さ。でも日常的な空間なので人の行動心理がよりリアル。80人もいるから、本当に色んなタイプの人間がいるんだよ。一人一人ちゃんとキャラ設定が丁寧。

登場人物が多いけど、一人一人きちんと追って観た方が面白い。
地味そうな人でもちゃんと言動を見てあげて。
ラストはこの種の不条理サスペンスにしてはすっきり系。
『CUBE』は分からないところが更に恐怖を煽ったけど、その分謎の解けない不快感が付きまとった。
すっきりさせると恐怖感が減るし、すっきりさせないとモヤモヤするこのジレンマ。好みの問題かな。


エヴァンいい奴だったな。
部長クソ野郎だけど、めちゃめちゃ強かったな。「弾がもったいない」には不覚にもカッコイイと思ってしまった。でもこいつが生き残っても生涯「人殺し」と罵ってやりたい。
日常からおかしいやつは、非常事態に陥ったらおかしさ解き放たれて更に暴走するんだな。
最初から用心深く慎重なダニーがエレベーターの扉の真ん前に立ってたのはちょっと意外。疲労が限界に達していたのか。
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