ぶみ

ダークレインのぶみのレビュー・感想・評価

ダークレイン(2015年製作の映画)
3.0
雨に紛れてヤツらはきた。

アイザック・エスバン監督、脚本、グスターボ・サンチェス・パッラ、カサンドラ・シエンゲロッティ等の共演によるメキシコ製作のスリラー。
記録的な豪雨が降る人里離れたバスステーションで、偶然居合わせた8人の男女が、次々に倒れていく姿を描く。
現在上映中の同監督作品『イビルアイ』、長編デビュー作品『パラドクス』と観てきたため、その流れで本作品もチョイス。
物語は1968年のメキシコの辺境にあるバスステーションを舞台として、豪雨によりバスは走らず、電話も通じずという状況のソリッドシチュエーションとして展開。
その映像はカラーではあるものの、コントラストや明るさが明らかに落とされていると同時に、ざらついたものであり、かつ不吉な情報を伝えるラジオ音声が流れるという、なんとも不穏な空気感で進行。
そして、偶然居合わせた人々が感染病のような症状により次から次へと倒れ、パニックに陥ることとなり、中盤以降、その真相が明かされる流れにはなるのだが、もうその真相は、かつてない、そして今も見たことがないほど衝撃的なものであり、アイデア一発ものと言ってしまえばそれまではあるものの、それは一見シュールなのだが、考えようによっては、大いなる問題を投げかけてくる内容。
『パラドクス』ほど難解なものではない反面、もう、これ以上は何も書けないので、その結末に、爆笑するか、それとも恐怖を覚えるか、その目で確かめてほしいと思うとともに、本作品と『パラドクス』のトリッキーで振り切れてる感からすると、『イビルアイ』が相対的に普通に見えてしまう怪作。

目当てのものを、奪っていっただけ。
ぶみ

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