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ダークレインのtosyamのネタバレレビュー・内容・結末

ダークレイン(2015年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

映像の質で雨がふったようっていいますよね。もし世界がマトリックスのように現実に存在するのではなく誰か一人のみている三次元の映像の偏向放送にすぎない。としたら。そのなかにすむ人間には。電波の乱れによる世界のノイズ。それは土砂降りの嵐のなかの音とビジョン。そこらじゅう雨がふっているようにみえるはず。かんじられるはず。そして本作の登場人物は誰も皆その人工的な雨を自然現象としんじてうたがわない。すべてがすれちがってすりぬけてしまいことごとくつかみどころなく。郊外ディストピア映画とでもいうのだろうか。誰ひとり永遠に中心地へとたどりつけないカフカの城。閉鎖され感染症のようにひろがる新興宗教。世界からコロナ禍のあの日々のように色彩がどんどんぬけてゆく。いつまで。とにかく映画館をでるのがこわくなる映画。みちゆく人の顔がおなじにみえそうで。とくにわれわれ日本人には世代にはなじみぶかい教祖の顔貌だし。
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