このレビューはネタバレを含みます
強姦未遂のシーンや、過去の強姦を示唆するシーン、自死の描写があります。注意です。
シスターフッド、神の沈黙と信仰、そして反戦映画でもあります。
第二次世界大戦後の実際の事件をもとに作られた映画で、兵士たちに強姦されたすえ性病にり患・妊娠してしまった修道女たちが複数いたという事実はショッキングであり、思いを寄せると恐怖で手足が冷たくなる。こういった暴力が世界中で戦争が起きるたびに振るわれていることを思うと、恐ろしく感じます。
事実とは異なるそうですが、主役のマチルダが共産主義者で特に信仰心がないというのもパンチのある設定(作品内でのバランスでしょうか)。臨月に迫っており、ポーランドは厳格なキリスト教カトリックの多い国ですし、相談できる医師の手もなく、中絶もほぼ不可能だったのでしょうね。
院長の行為は追い詰められた末に行ったことで(生まれたばかりの赤ん坊の遺体が見つかることがあります)、責めるだけでなく救いを示してくれたのはよかった。