1969年のアメリカのペンシルベニア州。冴えない高校生のジェイミーは小説「ライ麦畑でつかまえて」に感銘を受けていて、舞台化したいという願望があった。それを実現するためには原作者のJ.D.サリンジャーからの許可が必要。ジェイミーはサリンジャーと会うための旅に出るロードムービー。
監督のジェームズ・スティーヴン・サドウィズの実体験に基づく作品。学校に馴染めなくていじめも受けているジェイミー。そんな彼がどうしても「ライ麦畑でつかまえて」を舞台にしたい一心で、会えるかどうかも分からない原作者のサリンジャーに会うために奔走する。
道中で出会った同世代の女の子のディーディーと一緒に、不器用でグダグダがありながらも旅を続けます。全体的にそこまで抑揚は無く、地味な作風ではありますが、青春映画らしい瑞々しさは感じ取れました。
舞台化の件を通じてのジェイミーの成長。冒頭とラストでは別人のように生き生きしているように思えましたね。素朴な作風だけどいつまでも見ていられるような気持ちになります。