むらむら

血のお茶と紅い鎖のむらむらのレビュー・感想・評価

血のお茶と紅い鎖(2006年製作の映画)
5.0
(末尾で2021上半期ベスト更新しました)

アメリカ発の女性監督によるストップモーションアニメ作品。

セリフが皆無なので、ストーリーとかキャラ設定に関しては、観る側が想像力を逞しくするしかない。

想像力はAVのモザイクを分析するとき以外は保存することにしている俺なのだが、この作品に関しては、俺に理解できた範囲で、内容を箇条書きにしておく。

・主人公はネズミたち。
・「ぐりとぐら」が不気味になった感じの造形
・職人ネズミ3匹が、貴族ネズミの依頼で、人形を制作
・そこに人間界から卵が都合よく流れてくる
・人形の腹に卵を詰める職人ネズミたち
・貴族ネズミが人形を取りに来るも、渡さない
・キング・クリムゾンのアルバムにいそうなヒマワリ登場
(↑観た人には言いたいこと分かると思います)
・みんなであやとり(って、海外にもあるのね)して疲れて就寝
・貴族ネズミが闇に紛れてチューチュー言いながら人形を略奪
・人形を取り返すべく、職人ネズミ三匹が旅に出る

ここまでで15分くらい。旅に出てからは、食虫植物や蜘蛛といった、トラウマになりそうなキモ可愛い……いや、キモキモいシーンが続く。

最終的に、人形と卵に関しては、物語的には決着が付くのだが、どんな感想を書いても

「それってあなたの感想ですよね?」

と、よく分からない人にマウントを取られそうで怖いので、それぞれ勝手に解釈するのが良いのでは?(投げやり)

一番トラウマチックな食虫植物のシーンは、どことなく「雨月物語」を思い出したかな。キモいキモい書いたけど、健気なネズミたちの姿に、最終的には貴族ネズミも職人ネズミも大好きになってしまった。

シュワンクマイエルのアニメや、一人で作り上げたストップモーションアニメ「JUNK HEAD」(の、特に三馬鹿のキャラ)、トラウマアニメ「ファンタスティック・プラネット」みたいな作品が好きな人にはオススメです!

この監督のインスタ、そこはかとメンヘラ臭ある
https://www.instagram.com/christianecegavske/

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2021年上半期が終わったので、ベストムービーを更新しました。
2020年のものは「ヘヴィトリップ」の感想に書いています。
https://filmarks.com/movies/80843/reviews/102828572

・filmarksでCLIP数が3桁以下のもの(本日付け)
・俺が2021年上半期に観たもの

からセレクト。

さらに今回

「怒られそうな作品」

をテーマに5作品選びました。

昨今の個人的には行き過ぎた自主規制の風潮で、大作映画の表現やテーマに窮屈さを感じることがあります。そんな風潮に負けず、マニアックな映画は、一部の人たちの圧力に阿ることなく、自由な表現を追求していって欲しいなと思ってます。

観るか観ないかは観客の自由。様々な価値観がエンタテインメントや文化を活性化させる。

特に日本は多様な作品が上映されてるし、映画館潰れてほしくないなー。って応援の意味も含めてみました。

【『どこかに怒られそうな』2021年上半期ベスト5】

■アフリカン・カンフー・ナチス
→全方位に喧嘩を売るスタイルが最高のアドンコムービー

■ゲット・デュークト !
→イギリスの貴族層をコケにしてるのと、何より馬鹿っぽさが最高

■トゥルーノース
→監督が北朝鮮の工作員に拉致されないか心配

■オゾンビ
→オサマ・ビンラディンがゾンビになって復活! ええっ!?

■心霊×カルト×アウトロー
→映画そのものというか俺の感想が闇の勢力に怒られ…ウワナニヲスルヤメロ!!

【上記コンセプトに合わないけど面白かったもの】

■フランケンジョーズ
→俺の中で「ポロニア指数」というクソ映画の尺度が出来た

■エクストーション 家族の値段
→予想を裏切る展開の数々。日曜洋画劇場に推薦したい

■ヴァスト・オブ・ナイト
→雰囲気SF(すこしふしぎ)作品。レトロスペクティブ

■幽霊と未亡人
→filmarksなかったら出会わなかったクラシックマスターピース

■アンコントロール
→アンデルセンが発狂しそうな現代デンマークの闇

■ザ・カナル 悪魔の棲む場所
→「トレスポ」と並ぶ汚トイレ(おといれ)映画。掃除してあげたい

(おしまい)
むらむら

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