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BEATOPIA ビートピアの8bitのレビュー・感想・評価

BEATOPIA ビートピア(2017年製作の映画)
3.9
阿久根市で家業を手伝いながらも東京を夢見るふたりの高校生の青春、ラップによるミュージカル、ミュージックビデオ的演出、監督の視点による阿久根市という街を捉えたドキュメンタリーなどなど、様々な要素をカット&ペースト、サンプリングした、まさにテクノやヒップホップ的なリズム感のある演出。
若さにあふれとるね。
田舎、実家、家業といった呪縛から抜け出し、夢を追いかけようとする青春を描くツールにラップが使われるようになるとは、なんて面白いんだろう。すごい時代になったもんだ。
映像や演出的な面白さの反面、ちょっとストーリーが置いてきぼり気味というか、ストーリーそのものに食い足りなさを感じてしまった。
50分足らずの尺じゃ描ききれない部分も多いので、いっそのこと90分くらいでふたりの物語をじっくり見守りたかったし、ミュージカルのシーンももう3,4曲は欲しかった。音楽がどれも良かっただけに。

ただ、その食い足りなさこそが作品の軽やかさ、清々しさに繋がっているようにも感じられ、観終わった後すぐにそのままループ鑑賞したくなるような不思議な魅力を持った作品でもあると思う。
そんなところもまさに音楽的。
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