chinsuko

孤独なふりした世界でのchinsukoのレビュー・感想・評価

孤独なふりした世界で(2018年製作の映画)
3.2
孤独を愛するように見える男の物語

人類の大半が死滅した世界で1人生きるデル。デルは街の無人と化した家を1件1件訪問し、部屋を清掃し死体があれば土に埋めるという作業を繰り返す。
そんな中、生きた女性に出会う。何故生きている?と問うもはっきりとした答えは無い。女はグレースと名乗った。
デルはかつての世界の方が孤独を感じたと言う。今の方がやる事が多くて孤独を感じないと。
そしてグレースとルーティンを共にする事で、心境に変化が現れる。

デルは何故そのようなルーティンをしていたのか。几帳面であるからかもしれないが、人の死に対する向き合い方がそうさせていた様に感じる。
孤独を愛するように見えるが、実はそうではない。 ルーティンは人間が好きである証かもしれない。

ピーター・ディンクレイジという俳優は味のある稀有な人物。寡黙な主人公を好演している。
共演にエル・ファニングを持って来ているが、身長差を感じないような自然なショットが多く見られて良い感じになっている。

終末を描いているが、すこし退屈な部分もあり「未体験ゾーンの映画たち」に相応しい作品である。
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