うたまるこちゃん

火花のうたまるこちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

火花(2017年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

原作→ドラマ→映画の順で見ました。

原作、ドラマそれぞれに思い入れがある状態で見たので映画単体としての純粋な評価はできませんが、思ったことを書きます。

映画は連ドラの総集編を見せられているような気分です。年末にやる朝ドラ、大河の総集編のような。

一番悲しかったのは解散ライブに神谷と鹿谷の姿がなかったことです。ドラマ版のあのシーンではスパークスの漫才を見て笑いながら号泣する神谷が映し出されます。一番好きなシーンです。声をあげて泣きました。あの場所に神谷がいる、いないの違いは大きいです。

キャストについては菅田将暉が器用すぎて、あれなら「売れるんじゃないか」と思ってしまいます。ドラマ版の林遣都は芸人としても人間としても精神がギリギリで社会に順応できず、かといってお笑いの世界で自分を殺して権力者に媚びることもできず、好きなことをやっているのに終始苦しく生きてるのが魅力的でした。菅田将暉は良い俳優ですが器用過ぎて苦悩に重みが感じられません。

ただその重みを映画で表現してしまうと2時間の尺で回収することができずに、端から軽い感じを演出されたのかも知れません。だとしたらそれはもう徳永ではない。

原作を読んでいるときに神谷は桐谷健太っぽいと感じていました。演技の幅としては桐谷健太のが上手ですが、この作品に演技の器用さは必要ないと思います。

映画にするなら原作をなぞるのではなく違うアプローチにすべき。全体的には軽い仕上がりになっていました。

あくまでも原作→ドラマで入った意見なので最初に映画を見れば評価は変わっていたと思います。