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あさひなぐの8bitのレビュー・感想・評価

あさひなぐ(2017年製作の映画)
4.0
西野七瀬さん演じる主人公〝あさひ〟が、オッサンにチ○コを見せられる冒頭から、言いようのない不安に駆られました。
「お、おじさんの薙刀…ど、どう?」

続く、珍妙な薙刀ダンスシーンで内心「これは、しまった…」と思いました。
劇場内の温度が明らかに下がってゆくのがわかる…。
こういうのを観に来たわけじゃないんだけどな…。
ま、まさか、こんなノリが最後まで続くんじゃ…。
こ、これは明らかに観客をふるいにかけに来ている…!?
一瞬くじけそうになりましたが、あの「ヒロイン失格」の監督だということを思い出して、なんとか気持ちを切り替えることが出来ました。
(帰って原作の1巻を読んでみましたが、チ○コも薙刀ダンスもちゃんと原作にあるシーンなんですね。)
でもその後は真っ当な〝部活〟と〝青春〟の映画になってきて安心しました。
そうそう、こういうのが観たかったのだよ。

それまで薙刀の事など全く知らなかった〝あさひ〟が新しい世界を目の当たりにし、その一歩を踏み出す。
これは映画を観る我々も一緒。
時には〝あさひ〟と、時には傍観者として、薙刀の基本やルールを、魅力を知ってゆく。
自分が〝部活〟映画を観るのは、この過程がたまらなく好きだからだ。
新たな世界、新たな価値観、新たな人間関係が主人公の周りに形作られ、ひとつのゴールに向かってゆく。これがたまらなく楽しいからだ。
「咲-Saki-」も「ハルチカ」も「ガールズ&パンツァー」も全部そう。
そしてこの映画もその過程がとても魅力的に描かれていて、感動してしまった。
薙刀ってああいう競技なんだね。あくまで〝美しさ〟が根底にあるというのが日本的。

主演の西野七瀬さんがとても良い。メガネ反則。袴似合う。
乃木坂46は生駒ちゃんと白石さんくらいしか知らなかったので、こんなキラッキラな〝主人公〟感のある子がいるとは驚きました。
新入生なので、ストーリー的には活躍の場がそれほどあるわけじゃないんだけど、薙刀という新しい世界に魅せられどんどん成長してゆく姿はこれぞ主人公!という感じで、とても魅力的でした。
白石さんの〝エース〟感と生田さんの〝ラスボス〟感(目が据わっている!)もヤバい。
このふたりの対決が実質のストーリーの軸で、ふたりの試合はスピード感と美しさがあって、もっと観たかったですね。

続編が出来るかは微妙なところですが、是非観てみたい。
なんならドラマでもいいんじゃないでしょうか。
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