レク

ナンシーのレクのレビュー・感想・評価

ナンシー(2018年製作の映画)
4.3
自らが作り上げる真実という名の虚構、嘘を嘘で覆い隠すことで表面化してくる事実。
自身を否定することでしか存在価値を見出せず
、他人というフィルターを通してでしか自身を肯定できない危うさが、逆説として物語を構成する巧さ。
自分を認めることではじめて愛の重さを知る。

当然、この物語の主人公はアンドレア・ライズボロー演じるナンシーだが、視点を変えて過去に我が子を失くした老夫婦から見たこの物語がまた心を締め付ける。
信用と疑念、心の葛藤の狭間で捨てきれない希望。
事実と真実は決してイコールではなく、真実として通用してこそ嘘は生きるもの。
レク

レク