あさと

エジソンズ・ゲームのあさとのレビュー・感想・評価

エジソンズ・ゲーム(2019年製作の映画)
4.3
1800年後半のアメリカで、電気を一般家庭に普及させるときエジソンが推し進めた直流か、テスラとウェスティングハウスが推し進めた交流のどちらがいいかで電流戦争と呼ばれるバトルが起こった。これはその一部始終を描いた伝記的な映画。

日本でもアメリカでも評判は微妙な感じっぽいけど、個人的にはけっこう面白かった。それは直流と交流どっちが勝つのかを知っていたのとカンバーバッチ演じるエジソンが徹底的に嫌なやつのように描かれてるのが大きかったと思う。正直、カンバーバッチの偏屈な天才役は今まであまり好きではなかったのだが、今回は結末を知ってたのと嫌なやつに振り切ってたのがあって今回は割と好きだった。カンバーバッチは悪役が似合うね(褒めてる)。

交流が感電する可能性があって危険というのは原理的にはそこまで説明が難しくないのだけど、映画の中では原理の説明をせずに感電の危険性ばかり言うから原理も説明すればよかったんじゃないかと感じた。ちなみに今も冷蔵庫などの大型家電は感電の可能性があって、アース線をつけないまま雷が落ちて家電を使用してると感電する。でもそうならないようにアース線が発明され、文明が進歩していった。電力の歴史に興味がある自分からしたらなかなかよかったし、知識として得るものがある映画だった。

ちなみに電流戦争は一般的にエジソンvsテスラで知られているけど、今回はエジソンvsウェスティングハウスの側面が強かった。ウェスティングハウスといえば東芝が2006年に買収して大失敗したアメリカの原発会社の名前もウェスティングハウスで、そっから名前とってるのかなと思って調べてみたら、なんとこの頃に作った会社がそのまま存続してて2006年に東芝に買収されていたということがわかった。その後ウェスティングハウスは倒産して東芝も経営危機に陥るのだけど、この頃の歴史が今にも繋がってるんだなとか思った。
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