夜空のパンケーキ

ハロルドとリリアン ハリウッド・ラブストーリーの夜空のパンケーキのレビュー・感想・評価

3.8
映画好きな人でも"ハロルド・マイケルソン"と"リリアン・マイケルソン"の名前を聞いた人は少ないのではないだろうか。
いわゆる絵コンテを描く仕事をしているハロルドとリサーチを行うリリアンの夫婦の人生を追ったドキュメンタリー。

多くの人が語る彼らの存在がなければ面白い映画が作れなかっただろうと。
『卒業』で有名な女性の足の間からダスティン・ホフマンが見えるシーンも『鳥』でガソリンが流れて爆発するシーンもハロルドが絵で表現した。
文章ではわからないカット割まで絵で表現することで監督にもカメラマンにも意思が伝わるのだ。

そして話の背景にある衣装や小道具などのリサーチまで徹底的に調べるのが妻のリリアン。
ある時代のユダヤ人が着ていた下着はどこの文献にも載っていなかったが、リリアンはツテを使って調べ上げた。
嘘のない映画に仕上げるために彼女の影の努力が活かされていると知る。

しかし彼らの名がエンドロールに流れることはない。
しかし映画関係者は敬意を持っている。
それが『シュレック2』では国王と王女の名前にハロルドとリリアンが付けられていることで証明されるのです。

映画には表舞台には出てこない様々な人が関わっているということを知ることの大切さを知った。