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ラプラスの魔女のRのネタバレレビュー・内容・結末

ラプラスの魔女(2018年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2018年の日本の作品。

監督は「荒ぶる魂たち」の三池崇史。

あらすじ

硫化水素中毒による死亡事故が発生、警察に協力することになった地球科学の教授青江修介(櫻井翔「ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM "Record of Memories"」)は事件性を否定するが、数日後に別の場所で再び動揺の事件が起きてしまう。事態に悩む青江の前に自然現象を予見できる女性、羽原円華(広瀬すず「流浪の月」)が現れる。

Netflixにて、無作為に選んだ中から。

原作は東野圭吾による同名小説。なんだけど、もちろん未見。なんか東野圭吾作品て映像ならまだしも読む気にならないんだよなぁ…。

で、今作はそんな小説の実写化。お話はあらすじの通り、2件の硫化水素中毒死亡事故を櫻井翔演じる教授が調査するミステリーである。ただ、今作の青江教授が「探偵役」といえばそうでもなく、実質的な主役は広瀬すず演じる円華。

で、この円華がタイトルでもある「ラプラスの魔女」と呼ばれている通り、作用しているすべての力学、物理的状態を予見できるという超人的な知覚の持ち主という強キャラ!例えば、旅館の少年がこぼしたジュースの水液の軌道をあらかじめ予測し、スマホを置く位置を絶妙に変えたり、飛ばした紙飛行機を辺り一周させた上で元の場所に着地させちゃったり、果ては竜巻までも予測しちゃう。

しかも、後半明らかになるんだけど、実は彼女過去にお母さん(檀れい「沈黙のパレード」)を竜巻で亡くしてしまったことで、もう2度と大切な人を失いたくないと政府実験に志願し、この能力を得るという、つまりぶっちゃけ改造人間というわけ。

で、お話と彼女がどう繋がるかといえば、この2件の事件、明らかに風の予測をしないと行えないとあって、彼女が志願する実験の元々の発端であるオリジナル能力の持ち主であり、事件の最重要容疑者である福士蒼汰(「ゲキ×シネ「神州無頼街」)演じる甘粕謙人を探しているというわけ。

で、青江教授と出会うと。

そんで、中盤からこの2人による調査が開始されるんだけど、なんつーか広瀬すず及び福士蒼汰のラプラス要素が入ったせいでいまいち乗り切れないというか、つまりなんでもありなわけで、そうなるとミステリー要素としては観客側にあんまり入り込む余地がないから、つまらないわけじゃないけど、ただ観てるだけって感じになっちゃう。

ただ、まぁネタバレすると福士蒼汰はブラフで、実はブログでいかにも「いいお父さん」役を作り上げていた豊川悦司(「仕掛け人 藤枝梅安 第一部」)演じる謙人のお父さん、甘粕才生が犯人とわかり、その本性が顕になるとまぁ彼が全て持ってく。

過去に映画で使った廃墟の寺を舞台に、深紅のガウンを羽織り、杖をつくその姿はなんかマッドサイエンティストっぽいし、元々は才能ある映画監督だからか、言葉の端々で映画監督らしいワードや言い回しが使われるんだけど、急に「最高の映画じゃないか!」と嬉々として叫ぶその狂気性もめちゃ怪しげで良かった。

思えば、最近はすっかりいい人演技が目立つけど、顔立ち的には悪役顔だもんね。個人的に完全にMVP。

まぁ、でも全体的にはまぁつまらなくはないけど、櫻井翔や広瀬すずなどを使った割にはあんまりパッとしない内容だったかなぁ。

劇中で「ラプラスの悪魔は本気出せば誰しもがなれる可能性を持っている」的なセリフがあるので、ラスト「インセプション」的に青江が紙飛行機を飛ばすと元の場所に…的な新たなラプラスが発現!みたいな展開を期待してたんだけど、流石にないか笑
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