ユウ

ラプラスの魔女のユウのレビュー・感想・評価

ラプラスの魔女(2018年製作の映画)
4.5
ラプラスの魔とは、全ての量子の状態を把握することができる存在がいたとすれば、その存在は過去も未来も全て現在と同一次元の出来事として把握し尽くすという理論およびその仮定の存在のこと。
そして、ラプラスの魔となった青年とそのなり損ないである少女を軸に展開されるミステリ。
当然ながらタイトルはそのなり損ないの少女のことだろう。

ラプラスの魔となった青年がいわゆるバタフライエフェクトを故意に引き起こし、完全犯罪(※)を行う姿には、言葉が見つからないほど脚本の素晴らしさに感動した。
さすが東野圭吾である。

ただ、他のレビューを見るに難解でついていけないという人も多いようだ。
そもそもSFとはそういうものではある。未来に帰るのが目的の息子に「SFとかモテない趣味やめろ」って言われたり、事故った宇宙人から「お前はSF作家、俺は宇宙人。アウトサイダー同士だろ?」って言われたり、そういうのを自虐でやれちゃうジャンルなのだ。
ただバタフライエフェクトとラプラスについては、かなり初歩的な知識なので敷居は低いと感じるのだが……、「そういうとこやぞ!!」である。


余談だが、ラプラスの魔は既に科学的アプローチによって破綻していることが判明した。まあ細えことはいいんだよ!!

※実際には事故死であり、犯罪として捉えても再現性がなさすぎて不能犯になるだろう。
ユウ

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