【第69回カンヌ映画祭 監督週間出品】
『シチリアーノ 裏切りの美学』などの名匠マルコ・ベロッキオ監督作品。マッシモ・グラメッリーニによる自伝的小説を原作とする人間ドラマ。カンヌ映画祭監督週間でプレミアされ、ダヴィッド・デ・ドナテッロ賞では10部門にノミネートされた。
真っ当によく出来ていて素直に感動できる人間ドラマ。幼い頃のトラウマを背負ったジャーナリストの半生を丁寧に描いている。
ベロッキオ作品は隙がないという印象。どんな題材でも完璧に創りあげてくる。映画における隙が好きな僕としてはそんなに好きな監督ではないが、実話の映画化として完璧な映画だと思う。
人間の心の機微を丁寧に描いたその手腕は流石だし、思わず落涙しそうになった終盤への盛り上がりも素晴らしい。
実話ものが苦手な僕としてはそこまで好きなわけではなかったが、役者の演技も含め手堅く感動できるいい作品だったと思う。