あかね

King Lear(原題)のあかねのレビュー・感想・評価

King Lear(原題)(2008年製作の映画)
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※ほんとは観たのは2018年ナショナル・シアター・ライブのイアン・マッケラン主演『リア王』…!追加されるの待つ…!忘れちゃいそうだからそれまでここに書く…!


「おじいちゃん子だから老人が苦しむ作品が苦手」という理由で今まで『リア王』は避けてきたんだけど、イアン・マッケランのNTLなんて観るしかない。という訳で行ってきた。

こういう役者さんがいるお陰で現代までシェイクスピアが廃れずにきたんだなと、なんの違和感もなく400年前の舞台を再演するイアン・マッケランを観て心底理解できた。『リア王』は何かと大仰なイメージが先行しがちだけど、観終わった後に心に残ってるのは荒野で杖をつく狂った王様なんかじゃなくて、自分が大事にされていないことを認めたくないただの老人。よく見る光景。
今まで一番縁遠く感じてたシェイクスピア作品だけど、観に来て本当に良かったな。

他にも、この時代に「権力者の父娘」を表現することの意味とか、善と悪の配役とか、「観客はこう受け止めるだろう」を先取りして反映させたような部分も多くて、政治と芸術を切り離さないのはいつの時代でも同じなんだろうな。
あと『リア王』ってひたすら長くてテンポの悪い印象だったけど全然そんなことなかった。ちょうど良いタイミングで舞台転換が入って、上演時間が長くても全く飽きない。さすがにちゃんと読もう。
あかね

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